糖質制限の1年後、2年後、6年後

こんにちは 名古屋の管理栄養士 長谷川カヨです

「トロント最高の医師が教える世界最深の太らないカラダ」著者ジェイソン・ファン

先日2年前に読んだ本をもう一度読み返しました。

保健指導をしていると減量がうまくいく方法は本当に人それぞれで、みんなに共通するたった1つの方法はないことを痛感します。

この本には人が太る仕組みが丁寧に書かれていて、そんな思いをすっきりさせてくれる大好きな本の中の1冊です。

今回はその中から食事法の比較試験部分を抜粋して「どの食事法が一番痩せるのか」を書いています。

「自分にあった複数のプランを長期間続ける」ことが出来ると減量がスムーズにできます。それぞれの食事法がどんな特徴を持っているのかがわかると自分にあったプランが見つけやすくなると思います。

期待通りの結果がでない、なんて悲しいことにならないように自分に合った方法が見つかるといいですよね。

さてさて。

この本での結論は「食べる回数と何を食べるのか」がもっとも大切ということです。

食べる回数については、空腹の時間が蓄積された脂肪を減らしてくれることがわかっているので、出来るだけ空腹の時間を長くするように断食が勧められています。

私も朝食を抜いた方が体調がいいので、もう長い間1日2食にしています。

逆に食べていい時間はドカ食いしてしまう・・・という方は断食に向いていないので、せっかく断食しても思ったより体重が落ちません。そんな方は1日3食の方が合っています。

どの食事法が一番痩せるのか

2008年イスラエルで低脂肪食、地中海食、低炭水化物食(ローカーボ・糖質制限食)の有効性・安全性を比較したDIRECT試験が行われました。この結果を見てみると、それぞれの食事法の特徴、短期間と長期間では結果がまったく別ものになってしまうこと、そうなった原因がよくわかります。

低脂肪食、地中海食、低炭水化物食の比較試験結果

結果はこんな感じでした。

A.開始3か月後では一番減量したのは低炭水化物食

A.開始1年後以降は低炭水化物食と地中海食はほぼ同じ成績

A.開始6年後には地中海食が一番痩せた

A.低脂肪ダイエットがもっとも痩せない

※地中海食:フレッシュな野菜、フルーツ、オリーブオイル、ナッツ、豆、未精製の穀物、魚介類が多く、赤身肉や卵、乳製品が少ない。調理法がとてもシンプル。日本の「まごはやさしい」によく似た食事

下の図は2年間の減量効果をグラフにした図です

さらにその後4年間追跡した結果のグラフはこちら

自分にあった方法を見つける

低脂肪食はどの時点でもあまり減量出来ていません。これは代謝が悪くなったことが減量出来なかった一番の要因でした(カロリー制限しても基礎代謝量が落ちるので、結果痩せない)。

減量できた低炭水化物食と地中海食とを比較してみると

低炭水化物ダイエット(カロリー制限なし)は、食欲が自然に落ちて食べ過ぎなくなったのが減量の大きな要因になっていました。ただこの食事法は食べられる食品の制限が強いので続けられなかった人が多く、結果的に大きなリバウンドを招くことになりました。

地中海式は減量のスピードはゆっくりですが、ほとんどリバウンドがなく、6年間の長期間で見ても一番減量できています。

低炭水化物ダイエットは短期間で一番減量出来ている。強い食事制限があってもストイックに続けられる人には合っている

地中海式が長期間では一番減量出来ている。食事制限が少なく、全身の代謝も良くなっているのでゆっくり確実に痩せたい人には合っている

低炭水化物食にも地中海式にも共通すること

 低炭水化物食と地中海式はPFCバランス(炭水化物:たんぱく質:脂質の比率)が違います。さらにこのDIRECT試験では低炭水化物食にカロリー制限をしていません。

よく低炭水化物ダイエットで「糖質さえ減らせば好きなものを好きなだけ食べられる」と

言われますが、それをしっかり理解していないとうまくいきません。

低炭水化物食でも地中海式でも、最近話題の断食でも共通して大切なのは「加工食品を減らして、本物の食べ物を食べること」です。もちろんカロリーオフの人工甘味料も痩せません。どちらの食事法でも調理(加工)しすぎずに食べることがとても大切です。そのことについてはこちらで書いています。

食事以外にも体重に関係すること

保健指導の人数が増えると、低脂肪食、地中海食、低炭水化物食のDIRECT試験のようにカロリーやPFC比だけでは説明できない例外も増えます。「自分にあった複数のプランを長期間続ける」ために、食事や運動以外でも体重に関係していることはたくさんあります。

・ストレス

慢性的に心理的なストレスが強いと体内で多量のコルチゾールが分泌され続け、血糖値、インスリンの多量分泌により体重が増える。ストレスが強い場合はストレスケアが優先になる。

・睡眠不足

睡眠不足を解消しただけでも体重が減る。原因はストレスが多い場合と同じ。

・年0.5~1kgくらいのゆっくりペースで体重が増え続けている。

減量してもホメオスタシス(元に戻ろうとする力)によって、リバウンドしやすく、体重の設定値が徐々に上がっている状態。断食するとインスリン分泌が元に戻って減量出来るようになる。

・朝食を食べるようになったら体重が増えた

食べたくて食べているんではないなら朝食を抜いてOK。インスリン分泌が元に戻って減量しやすくなる。 断食しても食欲は安定するか、減るので減量しやすい

・BMI30を超えている人は食べる量が極端に少ない人が多い

基礎代謝量が減って消費エネルギーが減っている状態。今以上に食事を減らしても減量できない。食事量を増やして基礎代謝量を増やすことを優先にする。

・空腹時間が我慢できず、ドカ食いになりやすい

ドカ食いになるなら、3食に分けて食べる。食べる量を減らすことよりもゆっくり食べることを意識すると、自然に減量しやすい

・運動すると体重が増える

運動量が多すぎると空腹が強くなって、消費した以上に食べる量が増えてしまう。運動を止めて、非運動性熱産生(NEAT:運動以外の活動 歩く、階段を使う、家

事などの日常の動作)に切り替えると減量しやすくなる

まとめ

自分に合っていない食事法では一時期減量出来ても、続けられずにすぐにリバウンドしてしまいます。低炭水化物食(ローカーボ・糖質制限食)で体重がキープ出来ているなら、合っている方法なのでいいと思います。ただ、正しくやろうと思うと食べられる食品の制限がかなりきついのでお勧めしていません。

地中海式(日本では「まごはやさしい」)はいろんな食材が食べられて食が豊になりますし、代謝もよくなって、しっかり栄養が摂れることで自然に食欲が安定します。何より続けるのが楽ちんで、調理法が少ないことにもメリットがたくさんあります(詳しくはこちら)。

私はこの方法が一番たくさんの人に合っていると感じています。

地中海式や「まごはやさしい」のように、いろんな食品をシンプル調理でいただくようになると、そんなに体重を気にしなくてよくなります。

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