こんにちは 名古屋の管理栄養士 長谷川カヨです
最近プロテインが話題ですね。カウンセリングでプロテイン飲料やプロテイン添加の食品について質問が増えています。
プロテインが必要か、もし迷っていたら食事でどのくらいたんぱく質が摂れているのかを一度確認してから検討してみてください。
たんぱく質について簡単に説明しますね。
たんぱく質(プロテイン)は筋肉や内臓、皮膚、つめ、髪などの主要構成成分であり、酵素反応,筋収縮をはじめとして、物質輸送や防御反応などの化学反応などに関与しています。
人の体重の約15%がタンパク質ですが、貯蔵型を持たないので常に食べ物から補充する必要があります。
カラダに入ってきたたんぱく質は、優先して筋肉などのカラダの構成のために使われます。余った分は体内でブドウ糖(糖質)に変えられてエネルギーとして使われますが、それでもまだ余ると脂肪酸となって体脂肪として蓄積されます。
たまにプロテインをたくさん摂ると、その分筋肉が増えると思っている方がいらっしゃいますが、必要以上に摂ったたんぱく質は体脂肪になるだけです。まずはプロテインが必要かどうかを判断するために、どのくらい必要なのか、普段どのくらい摂れているのか、不足しているのか過剰なのかを確認してみましょう。ちなみにたんぱく質は1gあたり4kcalです。
ほとんどの人がプロテイン飲料・プロテイン添加食品はいらない
激しい筋トレや運動をしている場合を除いて、ほとんどの方にプロテインは必要ありません。どんなに優秀なプロテインも必要以上に摂った分は体脂肪になってしまいます。
今回は体重当たりのたんぱく質必要量、たんぱく摂取量と筋肉量増加の関係、国民栄養調査の日本人のたんぱく質摂取量結果、私のカウンセリングでの体感について書いていきます。どんな食事でどのくらいのたんぱく質が摂れるかの目安も書いていますので、普段の食事と比べてみてください。
総たんぱく摂取量と筋量増加の関係 メタ分析調査結果
では、たんぱく質をどのくらい摂ると筋肉量増加に効果的なのかを見ていきましょう。
筋肉ムキムキを目指していなくても、インナーマッスルなどの筋肉はダイエットにとっても大切な存在。筋肉には内臓を支える、きれいな姿勢をキープする、体温や基礎代謝を上げて痩せやすいカラダを作るなどの働きがあります。筋肉は水を除いて80%がたんぱく質で出来ているので、たんぱく質の摂取量は大切なポイントです。
たんぱく質の必要量はだいたい「体重×1g」で計算できます。
体重50kgなら1日のたんぱく質必要量は50g。
さて、論文の結果を見ていきましょう。
2020年11月にたんぱく質摂取量と筋肉量増加効果について、5402名の被験者を含む105件の論文の統計解析結果が発表されました。
結果は「毎日の総たんぱく質量が体重当たり0.1g増加すると2~3か月で筋肉量0.39kgの増加が期待できる。ただし、運動をしていない場合、その増加は体重あたり1.3gを超えたところで筋肉増加があまり期待できない」でした。
つまり運動していない場合、体重×1.3g以上のたんぱく質を摂っても筋肉は増えず、増えるのは体脂肪です。

国民栄養調査のたんぱく質摂取量と日本人の食事摂取基準の比較
食事摂取基準で推奨されているたんぱく質の量と、実際に日本人が摂っている量の比較です。
令和元年 国民健康・栄養調査報告で1日に摂れているたんぱく質量(20代~60代の年齢階級別平均値)は男性で74.8g~80.6g 女性では61.1g~70.2g でした。一方、日本人の食事摂取基準で1日のたんぱく質推奨量は男性65g 女性50gです。
どうですか?
摂取基準65gに対して実際に摂っているのは74.8g~80.6g(男性)、摂取基準50gに対しては61.1g~70.2g(女性)です。十分にたんぱく質が摂れています

カウンセリングでの状況
食事摂取基準より実際はたんぱく質を多く摂れているのに、ネット記事やテレビではたんぱく質をもっと摂りましょうという話題が多いです。なんだか不思議な感じがしますよね。これは実際に私がカウンセリングで聞き取りしている状況をお伝えすると納得していただけると思います。
それはたんぱく質の摂取量が「両極端」だからです。
多すぎるか、少なすぎるかの両極端で、ちょうどいい量摂れている方が少ないのです。
カウンセリングしている方はBMI25以上の方がほとんどです。たんぱく質が足りている場合、体重増加の要因は単純に暴飲暴食などによる過食です。一方、たんぱく質が少なすぎる場合は食事の全体量がとても少なくてもBMIが高くなる傾向があります。そして、その傾向は若い人に多くみられます。食べる量が少ないのになぜか体重が減らない、という方にたんぱく質が足りていない方が多いので、ネット記事やテレビでたんぱく質をもっと摂りましょうという話題が多くなっているんだと思います。
CHECK:どのくらいたんぱく質が摂れてる?


たんぱく質は肉・魚・卵・豆腐などの大豆製品・豆・ナッツに多く入っています。そして主食になる米や小麦粉にも入っています。下の表(たんぱく質が多い食品とその含有率)を見てください。

例えばたんぱく質を1日60g摂ろうと思ったら、1日3食の人は20gずつ、1日2食の人は30gずつ摂ればいいんです。肉の約20%がたんぱく質なので、たんぱく質を20g摂るならその5倍、100gの肉を食べればOKです。
ただ、ここで忘れてはいけないのは1回の食事で必要なたんぱく質は「合計20g」だということ。通常食事を摂る時は肉と一緒に、米などたんぱく質が入っている食品も一緒に食べるので「全部合わせて合計で20g」で考えないといけません。
そうするとメインディッシュの肉や魚などはだいたい60~80gくらいがちょうどいい量。意外と少ない量です。
細かい計算は置いておいて、肉・魚・卵・豆腐などの大豆製品・豆・ナッツなどたんぱく質を多く含む食品を合計で、1食に手のひらのサイズ分(手のひらの大きさ&厚み)食べればちょうどいい、と覚えておけばOKです。食事全体の組み立て方はこちらでチェックしてみてください。

いつもの食事を思い出してみてください。
例えばメインディッシュが2皿ある、メイン以外のおかずにもたんぱく質源が入っている(肉・卵・シーチキン・豆腐など)と、たんぱく質はかなり多くなります。手のひらには乗り切らない量ですよね。
逆にたんぱく質が足りなくなってしまうのは、麺やパンがメインの食事。食べる量が少ないのに体重が増えてしまう人に多いパターンです。食べる時にたんぱく質が多い食品を組み合わせるといいのですが、どうしても難しい時はプロテインやプロテイン添加の食品をプラスするのもいい方法だと思います。
まとめ:プロテインは必要ない人の方がずっと多い
普段食べているたんぱく質の量を確認してみると、たんぱく質が十分摂れていてプロテインは必要ない方が多いのではないでしょうか。
・余分に摂ったたんぱく質は筋肉ではなく、体脂肪を増やす
・運動をしていない場合、たんぱく質量が体重あたり1.3gを超えたところで筋肉増加は期待できない
・国民栄養調査でたんぱく質摂取平均値量は食事摂取基準値よりも多い
・1回の食事で摂るたんぱく質源の量は指を除いた手のひらサイズで十分
・プロテインが必要な人:ハードな運動や筋トレをしている方&炭水化物に偏った食事が多い方
もしもたんぱく質が足りていないならプロテインよりも卵や豆腐、ナッツでたんぱく質を補給した方が、ビタミン・ミネラルも一緒に摂れるのでオススメですよ。
参照:Nutrition Reviews 総たんぱく質摂取量と筋量増加の関係をメタアナリシスで解明 / 厚生労働省HP:日本人の食事摂取基準(2020 年版)/ 令和元年国民健康・栄養調査報告


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