こんにちは 名古屋の管理栄養士 長谷川カヨです
ダイエットをするときにほとんどの方が思いつくのは食べる量を我慢して減らすことですよね。
これ、半分正解で、半分間違っています。
食べ過ぎは我慢が足りないせいではなく、ホルモンの動きによって起きているからです。
我慢し続けるより、食べ過ぎの原因を取り除いた方がずっと楽ちんです。
食べちゃいけない、と思えば思うほど食べたくなりませんか?私はなります。
我慢して、我慢して、我慢して・・・我慢できなくて食べたら「感動するほどおいしくなかった・・・」ってなります。あんなに我慢したのに・・・
食べ過ぎはホルモンによるカラダの仕組みです。気合だけで戦うのはほぼ無理です。長く続きません。
もっと楽に食べ過ぎ防止できるように、今日はホルモンの仕組みについて書いていきます。
出来るだけ我慢が少なくて、スムーズに、楽にダイエットできますように。
こうすると食べ過ぎを防止できます
●睡眠時間を十分とる(特にストレスフルならこれが一番大事)
●カラダを動かしてストレスを発散する(ウォーキング)
●とにかく動く(NEAT)
●砂糖・甘味料・人工甘味料を減らす
●精製された粉末の穀物の摂取を減らす
●食物繊維・酢をもっと摂る
●加工食品を減らす
●おなかが空いている時に甘いものは絶対タブー
●たんぱく質を食べ過ぎない(PFCバランスを整える)
●いいオイルをもっと摂る
●おなかが空いたら脂肪が燃焼している時間だと思ってワクワクする
睡眠不足・イライラはすごく太る
さて、1つずつ説明していきます。
食べ過ぎを招く一番やっかいなものがストレスと睡眠不足です
慢性的な精神的ストレスが続くと多量のコルチゾールというホルモンが分泌されるようになります。コルチゾールはエネルギーを供給してストレスに立ち向かうように準備しますが、精神的ストレス下では体を動かす必要がないのでエネルギー供給のために準備された血中の糖(グルコース)が使われないままになってしまいます。そうするとインスリンが多量に分泌され始め、それが続くとやがてインスリンの効きが悪くなります(インスリン抵抗性の発現)。インスリンの効きが悪くなると、カラダはもっとインスリンを分泌するようになる悪循環が生まれます。
つまりエネルギー源はあるのにうまく使えずに、余ったエネルギーが体脂肪としてストックされるようになります。ここまでがストレスフルで起こること。
ストレスフルでさらに睡眠不足になると、レプチン(満腹ホルモン)が減少して満腹を感じにくくなり、グレリン(食欲ホルモン)が増加して食欲が増えます。
つまり、ただでさえ体脂肪が増えやすい状態なのに、食欲まで増してくるんです。
睡眠不足で食欲が増えて食べる量が増えるのに、ストレスでエネルギーがうまく使えないから元気がない。元気がないからあんまり動かない。そうやっておなかの脂肪が増えていくのに抵抗して、我慢でなんとかするのは本当に大変なことです。
我慢よりも、ストレスコントロールを考える。それが難しいならせめて睡眠時間を増やすことを考えた方がずっと楽ちんです。
運動はストレスコントロールのためのもの
運動で消費出来るエネルギーは基礎代謝量に比べたら大したことないんです。だから運動で消費するエネルギー分で痩せようと考えるのは現実的ではないです。
運動の一番の効果はストレス緩和です。そんなにハードな運動でなくてもウォーキングとか買い物に歩いて行ったりして1日8000歩くらいでいいんです。ストレスが緩和されて食欲が整って、食べ過ぎなくなったり血流が良くなったり、睡眠の質が上がって痩せやすくなる方が効果としてはずっと高いです。
例えばジョギングのようにハードな運動はものすごく運動した気分になって食欲が上がります。運動で消費したエネルギーは大したことないので、食欲を満たす程食べられません。結局消費した以上に食べてしまって体重が増える人の方がずっと多いです。
ストレス発散のために景色がいいところで歩いたり、ストレッチしたりして普段からちょこちょことカラダを動かしている方がずっと効果的です。
インスリン分泌を調整して血糖値を乱高下させない
一番太るのは糖質を液体で摂ること。甘味がついた飲み物です。液体なので消化吸収が早く、一気に血糖値が上がってインスリン分泌が増えたあと、すぐに強い空腹感がきます。一気にインスリンが多量に分泌されるので先程「睡眠不足・イライラはすごく太る」で書いたのと同じようにインスリンの悪循環がうまれて体脂肪が増えやすくなります。
スポーツドリンクでも野菜ジュースでも、カロリーオフでも全部同じ。どれも強い空腹感で食欲を増して食べる量が増えていきます。
甘味料だけではなく、小麦粉のように精製されて炭水化物の塊になった粉末状のものも消化吸収を早めて、甘い飲み物と同じように血糖値の乱高下を起こします。パン、お菓子はこの小麦粉にさらに甘味料が入っています。特に空腹の時にこういうものを食べると血糖値の乱高下から食欲が止まらなくなり、インスリン分泌も多くなって、元気がないのに体脂肪がどんどん増えるという悪循環を作ります。
こういった点でよくGI値が低いものが勧められますが、GI値は誤差が大きいので要注意です。
GI値は血糖値を上昇させる度合を表していますが、炭水化物を含む食品しか測定されていません(たんぱく質は血糖値をあまりあげませんが、インスリンは分泌されます)。そして誤差の原因は炭水化物を50g含む分量だけを取り出して測定していることです。水分を多く含んでいたり炭水化物の濃度が少ない食品では誤差が大きくなります。これを正したGL値(グリセミック負荷)やインスリン分泌指数の方が誤差が少なく参考になりますが、全部覚えるのはとても無理です。気にすることは以下で十分です。
血糖値の乱高下を防ぐために減らすもの
・砂糖などの甘味料(低カロリーの人工甘味料もインスリンを分泌させるので減らす)
・加工食品(8割以上の加工食品に甘味料が入っている)
・小麦粉が多いお菓子、パン
血糖値の乱高下を防ぐために増やすもの
・食物繊維
・酢(食前の小さじ2杯程度の酢は効果的)
・フレッシュなオイル(エクストラバージンオリーブオイル、アマニオイル、カメリナオイル、えごま油など)※加熱しない
・精製も粉末化もされていない炭水化物(玄米、オートミール、豆)
PFCバランスを整えて満腹ホルモンをうまく使う
低炭水化物ダイエットやお米ダイエットなどPFC比(たんぱく質:脂質:炭水化物の比率)については意見が分かれています。これについては「たんぱく質足りてる?足りてない?」に書いていますし、低炭水化物ダイエットを長期間でみた結論については「糖質制限の1年後、2年後、6年後」で書いています。
普段の食事でわかりやすくPFC比を整える方法は「ごはん:肉・魚・卵・豆製品:野菜=2:1:2~3」が簡単です。
この比率にすると満腹ホルモンもうまく働いてくれるようになって、食べ過ぎが予防できるようになります。
それぞれの食材が食べ過ぎを予防してくれる理由はこんな感じです。
ごはん(玄米・オートミール・豆)
精製も粉末化もされていない炭水化物で安定して食物繊維が摂れる。でんぷん質が主体の炭水化物なのでインスリン値を上げすぎず、食物繊維と水分が胃を膨張して満腹感が得られやすい。
味付けしていない主食にすることで塩分の摂りすぎによるむくみや脂質の摂りすぎもなくなる。
肉・魚・卵・大豆製品(たんぱく質源)
たんぱく質もインスリン分泌を上げますが、満腹ホルモンを刺激するので食べ過ぎることがありません。お腹がいっぱいになってからでもケーキは別腹で食べられてしまうけど、肉は別腹で食べられないのは、たんぱく質が満腹ホルモンを刺激してくれるからです。ケーキは高度に精製された食材で作られていて、嵩も小さいので満腹ホルモンを刺激しないし満腹感も得られません。食事にたんぱく質が入ることで食べ過ぎの防止になるのです。ちなみに油も満腹ホルモンを刺激します。
野菜・海藻・フルーツ
食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの補給源。整腸作用や体内のスムーズな代謝、アンチエイジングに必要な必須栄養素が摂れる。食物繊維や水分による満腹感も得られる。
こんな感じで「ごはん:肉・魚・卵・豆製品:野菜=2:1:2~3」を目指して食べていると、食物繊維と水分で適度に胃が膨張して満腹感も満足感が得られますし、たんぱく質や脂質が満腹ホルモンを刺激して食べ過ぎを防止できます。
食べる量を減らして我慢し続けるよりも、満腹感、満足感、満腹ホルモンにうまく働いてもらう方がずっと楽ちんなので、長く続けるにはこの方法が一番です。
おなかが空いたら脂肪が燃焼する時間だと思ってワクワクする
最後に食べる回数についてです。
午前中に一息ついてお菓子、夕方に小腹がすいてお菓子やパン、なんて風にちょこちょこ食べ始めると常に血糖値が上がっている状態になります。血糖値が上がったままの状態が続くと、それを下げてくれるインスリンの過剰分泌や抵抗性(効きが悪い)が出現して、血糖値をしっかり下げられなくなります。そうなると血液の中には糖が十分あるので、その後入ってくるエネルギーは使いきれずに余剰分となってどんどん体脂肪に変えてストックするようになります。
食事をしてから4~5時間は血液中の糖が細胞内でエネルギーとして使われます。更に5~6時間後までは肝臓にストックされた糖(グリコーゲン)がエネルギー源として使わるようになります。その後でやっとストックしていた体脂肪が燃やされてエネルギーとして使われるようになります。
つまり、体脂肪が燃やされる前にちょこちょこと食べていると体脂肪が減るタイミングがなくなってしまうのです。あの大嫌いなお腹まわりの脂肪はこうやって溜まっていきます。
ちょっと小腹がすいたタイミングがまさに体脂肪を燃やすタイミング。そう思ってワクワクしておやつを食べなければ、インスリンが過剰に分泌されることもなくなって、体脂肪がどんどん増えていくことも防げるのです。
1日3食食べておやつまで食べていたら、体脂肪が燃焼するタイミングがないんです。1日3食食べてもすぐにお腹が空いてしまうなら、我慢よりもおなかがすぐに空かない食べ方に切り替えてみてほしいです。
まとめ
より長く、より楽ちんに体重管理するなら気にしていてほしいことはこちらです。
●睡眠時間を十分とる(特にストレスフルなら気を付ける)
●ストレス発散の運動をする(ウォーキング)
●とにかく動く(NEAT)
●砂糖を減らす
●精製された穀物の摂取を減らす
●食物繊維・酢をもっと摂る
●加工食品を止める
●空腹時に甘いものを食べない
●たんぱく質を食べ過ぎない(PFCバランス)
●いいオイルをもっと摂る
●おなかが空いたら脂肪が燃焼している時間だとおもってワクワクする
参照:トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ 著者ジェイソン・ファン
改訂5版臨床栄養ディクショナリー メディカ出版


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